大切なご先祖供養について、著書より紹介いたします。
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(2)餓鬼道

  
  先祖供養の儀式の中に施餓鬼会いうのがあるが、これを読んで字の如く、餓鬼世界に落ちて苦しんでいる者に飲食物を施すことによって、少しでもこの苦しみから救ってやろうということから始まった法会である。
このように、死後の世界では下から二番目にあるといわれろ餓鬼の特徴は、飢えと渇きによる苦しみである。孟蘭盆会の説話に出てくる釈尊の十大弟子の一人であった目蓮尊者の母親が、死後、餓鬼道に落ちて、逆さまにぷら下げられる苦しみを受けなければならなかったのは、生前の貪りの罪であったとされる。この目蓮尊者の亡き母をこの餓鬼道から救出するために行なわれた布施行が、お盆の始まりになるのである。
結局、坐前貪りの心をもって財というものに執着したり、名誉や自分のために利益をごまかしたりした者が、この道に落ちるのである。
  それでは、この餓鬼適に落ちた者がどんな苦しみを受けるかというと、どんなにおなかがすいても食べることができず、どんなに喉が渇いても飲むことができないという世界のことである。食べ物や水をみつけて、食ぺよう、飲もうとすると、それがすぐ火になってしまったり、たとえ食ベたり飲んだりできても、腹に入ると火になって、体中が焼けただれてしまうのである。子供のことをガキとよく呼ぶが、これは年がら年中腹をすかしているその様子が、餓鬼道に落ちて食べ物や飲み物を探し求めている盗と似ているところから、子供のことをそのように称したわけである。


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