7念珠についての知識
念珠は、仏前において礼拝する時には必ず用いるのが通例である。念珠の起源は古く、釈尊の御世から始まったとされている。そして、多くの仏典でその功徳などが説かれている。念珠は、じゅず、ずず、とも呼ぷが、これはただ単に手にかけるというのではなく、一心に真言を唱える時とか念仏を唱える時に、七遍、二十一遍、百八遍と、数を記憶するために用いるのが本来の用法である。
また、法会においてこの数珠を摺ることによって、導師と式衆との間の合図にもなり、この数珠を身に備えることによって、あらゆる悪に染まらず、「一切の鬼神は共に敬畏し、よって福カ具足し、功徳円満する」とその功徳が説かれているのである。念珠の種類にはたくさんあるが、根本となるのは百八の珠をもった念珠である。「一百八珠を最勝となす」と仏典にも説かれているが、この百八とは、百八の煩悩を表示したものといわれている。また、百八尊の功徳を表示したものだとか、百八三昧の功徳を表示したものともいわれている。
母珠を中心に五十四の珠が並び、仏典によると、母珠は無量寿を表わすと説かれている。また、珠は菩提の証果を表わすといわれている。この念珠の功徳もその材料によって異なり、真珠、珊瑚は百倍の福をもたらし、水晶は百億倍の福をもたらし、菩提子は無数倍の福と説かれている。
そこで菩提子であるが、これは菩提樹の実であると考える人が多いが、雪山地方にあるボーディチと称する樹の子実で作られたものである。
なお、念珠の作りは各宗門それぞれ異なり、その川い方にも差異があるが、根本においては、念珠というものは多大の功徳を有する仏具といってよいだろう。
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