大切なご先祖供養について、著書より紹介いたします。
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6施餓鬼会の意味と心得


  悪道に落ちて苦しんでいる衆生や餓鬼に施す法会のことを、施餓鬼会といっている。釈尊の弟子である阿難が、釈尊の説教を聴聞後、一人で静かな木蔭に行き、夜のふけるのも忘れてその教えを思い起こしていたところ、見るからに恐しい鬼の焔口餓鬼が現われた。そして、阿難に向かって「汝は三日後に命が終わって、餓鬼道に落ちる」と告げた。
  これを聞いた阿難は恐れおののき、どうすればこの苦から迷れられるかと問い質すと、焔口
餓鬼は「汝もし、明日無数の餓鬼、並びにバラモン千人のために、おのおの-杯ずつの飲食を
施し、我がために仏法僧を供養すれば、汝も長寿を得、我もこの餓鬼の苦を逃れて天に昇ぜ
ん」という。
  そこで、阿難は早速釈尊の所ヘ行き、餓鬼に施す方法を尋ねたところ、釈尊は「三界の有縁無緑一切の餓鬼に浄き飲食を施し、その功徳のカによって、彼らの苦を救りてやるがよい。現世の寿命を延長し、その善根はいかなる悪魔も害することはできない」と教示されたのである。阿難は早速その教示に基づきこれを修したところ、三日限りの寿命を長じて、即ち施餓鬼の功徳をもって七十有余の長命を保たれたのである。このようなことから、有緑無縁の諸霊にまで供養し、これが大きな功徳を得るとされたのである。また、一部には、新しく亡くなった精霊の成仏を邪魔する無縁仏がいるのでこれらを供養し、精霊の冥福を祈るものと考える向きもある。
  いつの頃からか、孟蘭盆会の時、またはその前後にこの施餓鬼会が行なわれるようになったが、これはこの時に限ったものではない。水死、溺死者のために水中に舟を浮かぺ、施餓鬼会を施して供養を流す、川施餓鬼というものもある。とにかく三界万霊に供養の念をもって修するのが、この施餓鬼会である。

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