大切なご先祖供養について、著書より紹介いたします。
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2 位牌について
 

 死者の霊をまつるために法名を書いて各家庭の仏壇や寺院の位牌壇に安置する木牌を、位牌という。また、位牌は霊牌とも呼ぷ。

位牌の起源はつまびらかではないが、一般的には儒家の習俗であったと考えられている。
通常、位牌の上部に梵字を書き、下に戒名を書くわけである。位牌はでき上ると開眼作法を行なってその位牌に難を勧請し、おまつりをする。亡くなった人の心身そのままが位牌にかわった、と考えるのである。

 なお、生前に予め受戒によって戒名を受け、位牌にそれを刻む場合もある。この場合は文字
は朱で書かれ、寿牌と呼ぶ。

 通常、位牌は忌明けもしくは一周忌をすぎると漆塗りにかえられ、仏壇に飾られる。
三十三回忌、五十回忌を機に寺に収め、永代供養する場合がほとんどである。

 親が死亡すると結婚している子女の数だけの位牌を作り、それぞれの家にまつる位牌分けということも行なわれている。

 こう考えてくると、位牌というものは死者の象徴として礼拝の対象であり、まことに大切な存在といわねばならない。戦争の記憶が薄れていく現在、これら戦争で戦死した戦友をまつろうというところから、生存者がより集まって一基の位牌を作り、その霊を慰めるという傾向が強まっている。

これは、今は亡き戦友を想い、国のために殉じた霊を慰めようという、まことに敬虔な祈り士が旧交を暖めるとか、思い出話に花を咲かすといった風景が見られる。

 また、会社や団体において、これらを支えてきた物故者の霊を慰め、ひいては現在の社員に
も社のよって来たる緑を腿識せしめ、かつ、精神的支住として会社や組織の物故者の位牌を作るという傾向も高まっている。

高野山などに行くと、会社の供養墓などが見られるが、相当多額な費用を要するところから、これに代わるものとして位牌を造り、これをもって先亡を供養するという形式が多くなったようである。

また、この先亡の位牌に、新しく入った社員に必ず参ることを義務づけ、それを機会に研修会を行なうなど、会社の精神面の昴揚を図る傾向も見られる。

先にも先祖供養の功徳について書いたが、これら先亡の精霊を祀り供養するということは、ひいては現在の会社従業員が功徳を受けるということでもあり、計り知れない効験を得る。


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