大切なご先祖供養について、著書より紹介いたします。
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(1)地獄


  地獄には熱い地獄と寒い地獄とがあって、これが各八種類に分かれている。
  イソドや日本において、寒さによる苦痛より熱さによる苦痛の方がはるかに強い印象を与えたためか、八つの寒い地獄についではあまり詳しい説明がないが、熱い地獄についでは、源信の「往生要集」にその説明が詳しくなされている。
  その第一が、等活地獄である。これは人殺しをした者が越で煮られたりすることで、実にその時間は一兆六千六百億年といわれる。
  第二に、黒縄地獄である。人殺しをした上に他人の持物を盗んだ者が受ける苦しみで、焼けただれた真黒な鉄の縄によって苦しみを受ける地獄である。この地獄における寿命は、等活地獄の八倍といわれている。それだけの間、苦しまねぱならぬ。
  第三に、終合地獄である。これは人殺しをし他人の物を盗んだ上に、正当でない男女関係をもった者が受ける苦しみである。大きな鉄の山の間に追い込まれた罪人が、その間に挟まれて押し潰されたり、ずたずたに切り裂かれたりする苦しみを受けるわけである。寿命は第二地獄の八倍といわれる。
  次に、叫喚地獄である。これは、人殺しをし、他人の物を盗み、邪淫を行ない、酒を飲んだ者が受ける苦しみの世界のことである。ひどい病気に冒され、口の中に煮えたぎった鋼の液を注ぎ込まれ、焼けただれた鉄板の上を走らされたりするというのである。これは、終合地獄の八倍の寿命といわれる。大叫喚地獄。これは殺生し、他人の物を盗み、邪淫を行ない、酒を飲んだ上に、嘘をついた者がうける苦しみである。鬼が全てこで舌を扱いたり、体の皮膚を刀でそいだり、焼けた鉄の針で口と舌とを突き通したりの罪を受ける。あまりの苦しさに、泣き叫ぷことになる。これは、叫喚地獄の八倍の寿命とされる。
  次が焦熱地搬である。人殺しをし、盗み、邪淫をし、酒を飲み、嘘をつき、間違えった教えを信じた者が受ける苦の世界である。この地獄に落ちると、焦げるように熱い、潰されて肉団子のようにされた上で鉄板の上で焼かれたり、大きな鉄で頭から肛門まで突き刺されたりするのである。寿命は、大叫喚地獄の八倍とされる。次が大焦熱地獄である。先の焦熱地獄よりはるかに強い熱きを味わうわけである。これは殺生をし、盗み、邪淫をし、酒を飲み、嘘をつき、間違った教えを信じ、戒を保っている尼僧と男女関係をもった者とされている。顔をはがされた上に別々に焼かれ、どろどろになった熱い鉄の液を注がれたりするのである。寿命は一劫の半分とされている。一劫とは、殆ど半永久的といってもよいほどの長い期間を示す。その半分占いうことである。次に阿鼻地獄である。人間としての最も大きな罪である逆罪を犯した者が受ける。それはどのようなことかというと、父を殺し母を殺し、聖者を殺し、仏の体を傷つけ、仏教教団の平和を乱すということである。その他、正しい教えを批判した者、資格がないのに僧者から施しを受けたり、仏像や寺院を焼いたりした者が、この罪を受けるわけである。舌をひっばりされて百本の鉄の針で地面にはりつけられ、猛獣、毒蛇によって体中食い散らされたり、飢えと渇きのために自分で自分を食べたりするが、これらはほんの一部で、人間
の想像を絶する苦を受けるのである。その寿命は一劫とされている。なお、これは育期であって、無期ではない。



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