大切なご先祖供養について、著書より紹介いたします。
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5 お盆の意味と心得


  お盆とは、正確にいえば孟蘭盆のことである。孟蘭盆のことをもっと詳しくいえば、アバランパラと梵語でいう。これが次第になまって、孟蘭盆というようになったといわれる。
  アパランバラとは、逆さまにかけるという意味である。先にも述べたように、人間が死んで中有の終りがきて、前世の悪業が非常に重くて餓鬼道ヘ追いやられてしまった場合、ここヘ落とされる時は逆さまに下げて落とされるといわれる。
  これはまこと苦痛を伴うことで、日本に限らす、外国においても重罪人をよく逆さに吊ったりするが、この苦しみは耐え難しいもので、まさに地獄の苦しみといえるわけである。従って、この苦しみを形容したのかこの言葉である。
  ところで、お盆の由来は、孟蘭盆経にも述ヘられているように、釈尊の弟子、日蓮が神通力を得て我が父母の冥王の姿をみたところ、母が餓鬼道に落ちて苦しんでいるのがみえたわけである。そこて、なんとかこれを救いたいと思い釈尊に問うたところ、七月十五日は夏安居の修養行事の日でもあり、僧侶が一堂に会するので、これらの衆僧に供養をせよと述べられたのである。
  そうしたところ、たちまちにして目蓮の母は救われ、良き所に生を受けられたという。そこで、この日に法会を修して、七世の父母、並びに先祖に対して法会を営むようになったのである。これは、この日には過去七代にわたる父母の霊が集まるといわれる由縁があるのである。古く、斉明天皇の御世にも、また聖武天皇の御世にも、宮中においてこれらか行なわれたことが明らかになっている。このようなことから、お盆の供養はまことに功徳大きくして、現在生きている者も先祖も共に大きな功徳を受けるというところから千三百年の昔から今日まで続き、先祖供養の代表的な仏事になっているのである。
  このお盆は、七月に迎える新盆、八月に迎える旧盆と、それぞれ地方によって異なる。十ニ日には先祖の精霊を迎えるために供物を供え、十三日には精霊棚を作り、夕方になると、我家に精霊が訪れるのに迷わないように玄関先で迎え火を焚く、という風習もある。盆提灯を下げて火をつけるのも、その意味である。十四日にはそうめん、十五日には団子を供えて供養し、櫨那寺の僧侶がお経をあげに訪れるのもこの時である。そして十五日の夕方には、どうぞ無事に本座ヘお帰り下さい、と送り火を焚き、これを流すのである。その送り火の代表的なのが、京都の大文字であり、灯龍流しでもある。
  特に、その年に亡くなった死者のために、初盆と称して寺院では施餓鬼会を行ない、その冥福を祈るようにもなった。


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