3 仏壇について

 元来、仏壇とは仏像を安置する壇のことである。とこが、後世、寺院の仏壇を須弥壇と呼
ぶようになり、仏壇といえば在家にある仏壇を指すようになった。
 仏壇の起源は、天武天皇の御世に遡り、「家ごとに仏舎を作りて、即ち仏壇及び経を以て礼
拝供養せよ」との記述も残っている。現在の仏壇に近いものが一般の庶民の家庭にまつられる
ようになったのは江戸時代とされているが、仏壇の歴史は非常に古いといわねばならない。
仏壇は仏像やお位牌を安置する先祖の家であり、仏様の宮殿であり、浄土であるといえよ
 そのために七宝をもって荘厳され、常に掃除をし、美しくなけれぱならない。
 仏壇は家の中心であり、家運隆盛の根源として、一家で大切におまつりすることが肝要であ
る。仏壇を見れば、その家庭の先祖に対する考えが窺い知れる。また、家の安定度と仏壇の荘
厳さは比例している。仏壇の中の仏様が埃をかぷり、位牌が傾いていたり、朽ちはてた花が飾
られていたりすると、病人や事故がたえまないということはよくいわれるが、これは先祖ヘの
崇敬の念を欠くためであって、総てが万事、心失われる家庭であるために不祥事が続発するの
である。仏壇のお水やお花、お供物は常にかえ、掃除をし美しくしておくことが、一家一族の
繁栄と安定を招くのである。